題名で損してる、絶対(買うとき恥ずかしい)
原題を「The alarming history of sex」という。また、邦題は「歴史は〜でつくられる」という既刊の2冊と語呂を合わせたもの。スポーツ新聞の娯楽面のような内容を期待したら完全にあて外れに終わる。主としてヨーロッパ史上の有名人物裏面史・側面史であり、講義途中の息抜きの雑談、といった内容であるが、題名にふさわしい部分は多くない。わざわざこんな、レジへ持っていくのがためらわれるような題名をつける意味が、果たしてあるのだろうか、と疑問に思う。訳文はおおむねわかりやすい(事実上3人の共訳である。私の敬愛する小林先生は日本の医学界を代表する知識人・教養人の一人)。しかし著者特有の皮肉・嫌味・あてこすり・婉曲表現は、英国では面白がられるのかもしれないが、文化風土の異なる我々にとっては単に不快感の元であったり、意味が判らなかったりするだけで、ユーモアとして有効とはいえないと感じた。 それにしても、この著者の表現法は、日本人が漠然と思い描く「英国紳士」そのものである。そして、ふつうの英国人がちっとも「紳士」でも「淑女」でもないことが、歴史上の事実のみならず、p.316の表に図らずも示されている点は皮肉であった。
時空出版
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